2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760114
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉井 一浩 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90314228)
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Keywords | トポロジー最適化 / 熱電素子 / 熱変形 / 変形制御 / 最適設計 |
Research Abstract |
工作機械に代表される位置決め機構を持つ機械製品では,駆動装置や加工点から発生する熱,あるいは,環境温度の変動が原因となって構造部材に熱変形が生じ,その結果,位置決め精度が悪化する問題がある.このような問題を,局所的な装置で解決するために,熱電素子を用いた構造変形制御システムの利用が有望である.そこで本研究では,高性能な構造変形制御システムを効率的に設計するための最適設計法の構築を行う.熱電素子を用いた変位制御機構を数値解析するためには,電気,熱,変位に関する連成問題を解く必要がある.このために,外部熱源によりある境界において熱が流入しているとき,熱電素子に通電したときの加熱及び冷却効果によってある境界における変位を抑制することを考える.そして電流の保存側,電気と熱のエネルギー保存側,熱弾性体の仮想仕事の原理の式に基づく3つの平衡方程式を解くことで,熱変位を求めることができる. 本年度は,このような機構を設計するにあたり問題となってくる構造の応力の問題を検討した.本研究課題で扱っている設計問題に対して最適な構造が見つかっても,熱変形時に応力を許容値以下に抑えるような構造を最適解として導出する必要がある.そこで,応力を評価するための定式化の方法について検討を行った.構造の個々の部分の局所的な応力を最適化問題の中で評価すると計算負荷が非常に大きくなることから,大域的な評価指標を導入することが重要であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終目標を達成するための要素技術の開発は順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
ここまで得られた知見に基づき,本手法を統合的な方法としてまとめ上げる必要がある.
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