2010 Fiscal Year Annual Research Report
キャビテーション気泡による局所加熱増強効果を利用した超音波がん治療法の開発
Project/Area Number |
22760119
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉澤 晋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30455802)
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Keywords | 超音波治療 / キャビテーション / 強力集束超音波 |
Research Abstract |
平成22年度は,高解像度CCDカメラを購入し,それを用いて圧力場を光学的に可視化するシステムを立ち上げた.これによって,超音波の波長あたりのピクセル数が大幅に増大し,圧力場を光学的に計測することが,実用的なS/Nで可能となった.その成果は,2010 IEEE International Ultrasonics Symposium, The 31st Symposium on Ultrasonic Electronics (USE 2010)において発表した.さらに,光学的に透明な生体模擬ファントムを用いてキャビテーション気泡の加熱増強効果を解析する実験システムを立ち上げた.生体模擬ファントムは,アルブミンを含んだポリアクリルアミドゲルを用いており,これによって,一定の温度以上になってアルブミンが変性し,白濁することによって可視化される.平成22年度では,この実験システムを用い,主に発生したキャビテーション気泡からの分数調波信号を検出することによって,生体模擬ゲルのキャビテーション発生の圧力閾値について調べた.パラメータは,超音波の周波数,超音波強度,ゲルの組成とした.ゲルの組成については,混入するアルブミン濃度の増加にともなってキャビテーション発生の閾値が下がることが確認された.超音波の周波数については,およそ1MHzから6MHzの範囲とし,最大負圧が-10MPaまでの範囲でキャビテーション閾値について調べた.結果として,キャビテーション閾値に関する様々な先行研究と同様に,低周波数の超音波を用いた方が,キャビテーション閾値が低くなることを確認できた.
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