2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760124
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩本 薫 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50408712)
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Keywords | 熱流体工学 / 血流 / 再層流化 / 直接数値計算 / 乱流 / 脈動 |
Research Abstract |
本研究では,「なぜ血流は脈動しているのか」という根源的な疑問を,血液輸送の効率化という流体力学的観点から解明する.レイノルズ数が約1万である大動脈流において,輸送効率を最大にする現象は再層流化と考えられる.血流を模擬した脈動乱流の室内実験,及び直接数値計算を実施し,再層流化プロセスを誘発する脈動成分を特定することを目的とする.本年度の研究業績は以下の通りである. 1.円管内脈動乱流の室内実験の実施 昨年度に引き続き,血流の圧力波形を模擬した円管内脈動乱流の室内実験を実施し,圧力波形が流体輸送効率に与える影響を系統的に調査した.その結果, ・加速期間では,無次元圧力勾配がある閾値を超える期間を長くし,かつ加速期間における平均圧力勾配は小さくする ・減速期間では,短い減速期間において強い逆圧力勾配で減速させる ことにより,再層流化が誘起されることを示した.再層流化するケースでは,現有の粒子画像流速測定装置(PIV)を用いて,2次元流速分布の時間変化を調査した. 2.円管内脈動乱流の直接数値計算の実施 前述の室内実験で得られた再層流化を伴う圧力波形を用いて,室内実験では実施困難な高レイノルズ数における円管内脈動乱流の直接数値計算を実施した.高レイノルズ数においても,上記の条件を満たすことにより,再層流化が誘起されることを示した.
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