2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760128
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻 拓也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特任准教授 (90379123)
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Keywords | 固気混相流 / 直接数値計算 / 埋め込み境界法 / 移動境界問題 / 流動層 / メゾスコピックモデル |
Research Abstract |
本年度は,主に次の項目を実施した.1.種々の検証問題を通して,本研究のベースにする予定であった体積力型埋め込み境界法に,計算結果の時間刻み幅への依存性や,固体界面近傍で連続の式を満たさないなど,数値計算手法として致命的な問題が含まれていることを見い出し,これらの問題の発生原因について指摘を行った.2.体積力型埋め込み境界法が本来持っている利点は生かしつつ,これらの問題を解決する新たな修正手法の提案を行った.また実際に修正手法に基づく並列数値計算コードを開発し,複数の検証問題を通して,修正手法によりこれらの問題が概ね解決されることを示した.3.固体粒子を高濃度に含む流れ場の微視的な数値計算を実施した.粒子充填層での圧力損失など,基礎的な問題に対して計算精度の検討を行った後,固体壁面の存在が固体粒子や気流に与える影響を詳細に調べた.これより,メゾスコピックモデル計算では直接捉えられない微視的なスケールにおいても,壁面の存在が粒子や流体の流動構造に大きく影響していることを確認した.4.固体粒子を高濃度に含む流れ場の実験計測を行うために,PIV計測法について検討を行った.速度場を求める際に阻害要因となる撮影画像中の固体粒子の影響について,メディアンフィルターとヒストグラム平坦化の2つの画像処理工程を組み合わせることにより,これをうまく除去できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,主にスペクトル法を導入することにより,高濃度に固体粒子を含む流れの高精度数値計算を実現することを目的としたものであったが,それ以前の段階として,本研究のベースとする予定であった体積力型埋め込み境界法に致命的な問題があることを確認したため,本年度はこの問題の把握と解決に努力した.スペクトル法の導入までは進めていないが,高精度化には資するのは間違いなく,おおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
高濃度に固体粒子を含む流れの高精度数値計算を実現することを目的として,今後も,引き続き本研究で提案した修正体積力型埋め込み境界法のさらなる改善検討を進め,順次高濃度固体粒子を含む流れ場の微視的な数値計算を実施する.
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Research Products
(7 results)