2010 Fiscal Year Annual Research Report
サブミクロン粒子の凝集体形成過程の数値解析手法に関する研究
Project/Area Number |
22760129
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 摩理子 大阪大学, 工学研究科, 講師 (80452473)
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Keywords | Submicron particle / Immersed boundary method / Slip flow / Aggregation / Brownian force |
Research Abstract |
燃焼器から排出されるすすのような微粒子凝集体が形成される過程を数値解析することを目的に、サブミクロンからミクロンオーダーの粒子を扱える手法を開発するため、体積力型埋め込み境界法にすべり境界条件を導入することを試みた。具体的には、界面のすべり速度の境界条件式からすべり距離を算出し、界面よりすべり距離分だけ内側に固体の仮想界面(接線方向速度が零である面)を考え、仮想界面を用いて計算格子内の固体体積率を計算することで、体積力型埋め込み境界法にすべり効果を導入することを提案した。提案した手法を用いて一様流中に固定された円筒まわりの流れを数値解析した結果、円筒後方における界面近傍の速度の誤差が大きくなったものの、クヌッセン数が大きくなるに従ってすべり速度が増加し、さらに界面に近い位置で主流方向速度が主流速度に収束する傾向を再現することができた。以上から、本手法によって希薄気体領域の流れの傾向を求められることが分かった。また、界面付近での流れをより高精度に予測するため、すべり境界条件の導入方法を改良すべきであるという問題点を明らかにすることができた。つぎに、粒子及び凝集体に作用する外力としてブラウン力を導入するため、サブミクロン粒子の凝集過程のブラウン動力学シミュレーションを実施し、高効率な乱数生成法の調査や凝集体形成時のブラウンカの導入方法について検討を行った。結果としてブラウン運動するサブミクロン粒子がすすのような凝集体を形成する過程を解析できるアルゴリズムを構築することができた。
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