2011 Fiscal Year Annual Research Report
サブミクロン粒子の凝集体形成過程の数値解析手法に関する研究
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22760129
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 摩理子 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80452473)
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Keywords | Submicron particle / Immersed boundary method / Slip flow / Aggregation / Brownian force |
Research Abstract |
燃焼器から排出されるすすのような微粒子凝集体が形成される過程を数値解析することを目的に、サブミクロンからミクロンオーダーの粒子を扱える手法を開発するため、体積力型埋め込み境界法にすべり境界条件を導入することを試みた。前年度までに、界面のすべり速度の境界条件式からすべり距離を算出し、界面よりすべり距離分だけ内側に固体の仮想界面(接線方向速度が零である面)を考え、仮想界面を用いて計算格子内の固体体積率を計算することで、体積力型埋め込み境界法にすべり効果を導入することを提案した。しかしながら、理論的に界面速度が零となる点の近傍において速度の誤差が大きくなった。この問題を解決するため、当該年度においては仮想界面と実際の界面間についても強制力を与えて速度を補正する方法を新たに提案した。結果として、質量保存性や運動量保存性が十分に満足されるよう、さらに改良を行うべきであることが分かった。つぎに、粒子及び凝集体に作用する外力としてブラウン力及びクーロン力を導入するため、サプミクロン粒子の凝集過程のブラウン動力学シミュレーションを実施し、高効率な乱数生成法の調査や凝集体形成時のブラウン力及びクーロン力の導入方法について検討を行った。結果として、衝突・凝集のアルゴリズムを見直すことでブラウン運動の計算効率を改善することができた。また、クーロン力については、カットオフ距離を用いることで計算コストを抑えて解析することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しく提案した手法の改良に時間が掛っているものの、問題点は把握できている。また、サブミクロン粒子に作用する外力の導入方法の検討については、予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
体積力型埋め込み境界法にすべり境界条件を導入する手法の開発を引き続き進める。現在問題となっている質量保存性や運動量保存性が改善しない場合は、界面付近に解析解を埋め込むか、体積力型ではなくMohd-Yusofによる埋め込み境界法をベースにする方法を検討する。開発された手法の妥当性は、二次元円筒まわりの流れ解析により検証する。妥当性を確認後、分子間力やブラウン力等の外力を考慮し、多数粒子の凝集シミュレーションに発展させる。
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