2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しい運動学的方程式を基とした超音速流体音の直接数値計算手法の確立
Project/Area Number |
22760132
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
片岡 武 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20273758)
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Keywords | 格子ボルツマン法 / 超音速流 / 流体音 |
Research Abstract |
流れの数値計算手法として,格子ボルツマン法が注目を浴びている.ナビエ・ストークス(NS)方程式の代わりに運動学的方程式を解くことで,衝撃波や流体音を精度良く捉えられるという特徴をもつ.しかし超音速流れを安定に計算できないという欠点があり,亜音速流れへの適用にとどまっているのが現状である.今年度は,2002年に曽根により提案された,自由分子型運動学的方程式による計算理論を基にして,新しい運動学的計算スキームを構築した.曽根による理論では分子速度空間が連続的であるため,新たに分子速度空間を離散化したモデルを構築し,計算スキームとして利用できる形とした.このスキームでは分子速度が離散的であるにも関わらず,超音速流を安定に計算することができた.また,任意の比熱比,粘性係数,体積粘性係数,熱伝導係数における計算が可能という利点を有す. 計算の結果,超音速流れである1次元衝撃波管問題を安定的に計算でき,得られた結果は理論解とよい一致をみた.またくさびを過ぎる超音速流れの数値解析を行い,結果と理論解との比較により2次元流体に対する本スキームの妥当性を検証した.解析結果,理論解はよく一致をし,本スキームが2次元超音速流においても有効な計算方法であることが確認された.
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Research Products
(4 results)