2012 Fiscal Year Annual Research Report
気液相変化を伴う界面境界条件の構築およびその流体力学への応用
Project/Area Number |
22760135
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 一道 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80453140)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 気体論境界条件 / 蒸発・凝縮 / 凝縮係数 / Enskog-Vlasov方程式 |
Research Abstract |
本年度は当初の計画通り,気液相変化を伴う界面境界条件の構築を遂行するため研究を行い,以下に示す結果を得た. 1.Enskog-Vlasov方程式を用いて,気液非平衡凝縮状態の数値計算を行った.その結果,液体が十分低温の場合,Enskog-Vlasov方程式で記述される非平衡凝縮状態の気体論境界条件は,過去に分子動力学法で得られた結果と同様の傾向を示した.具体的には,界面で凝縮が起こっている場合,液体から気体に出る分子の速度分布関数は,非等方的なMaxwell分布になる(界面法線方向はほぼ液体温度のMaxwell分布となるが,界面接線方向は液体温度よりも高い温度のMaxwell分布となる).また,凝縮状態において,凝縮係数の値は凝縮量によらず蒸発係数の値と等しくなることがわかった.ただし,この結果に対しては,より高精度な計算を行う必要があると考えている.これらの知見は過去に分子動力学で得られた結果と類似しており,非平衡凝縮状態へのEnskog-Vlasov方程式の適用妥当性が十分に示されたと考えている. 2.1.の結果は液体が十分低温の場合であったが,比較的温度の高い液体についても非平衡凝縮状態における気体論境界条件の検証を行った.その結果,低温の場合では液体から気体に出て行く分子の速度分布は液体温度のMaxwell分布であったが,高温になるほど,液体温度のMaxwell分布からずれることがわかった. 3.液体が高温になるほど非平衡凝縮状態の凝縮係数の値は小さくなることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)