2011 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度X線CTを用いたCO2地中貯留プロセスの三次元マルチスケール解析
Project/Area Number |
22760144
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
植村 豪 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70515163)
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Keywords | 地中隔離 / 二相流 / 多孔質 |
Research Abstract |
前年度までのマルチスケール可視化解析結果を用い,貯留安定性を向上させたCO_2貯留手法として,ナノスケールまで微粒化した液体CO_2を帯水層に圧入し,浮力を分散させる地中隔離手法を提案した.砂岩多孔質の空孔中にCO_2を微粒化して注入することで,それぞれの微細なCO_2液滴に対して独立に浮力が作用する一方,界面張力の効果を相対的に大きくして砂岩多孔質の空孔中に安定してトラップできると考えられる.実際に高圧水中でナノスケールCO_2液滴を生成し,粒径分布の時間発展現象の観察および経時変化に対する安定性を調べた.さらに帯水層を模擬し,砂粒の直径を制御した珪砂充填層内にナノスケールCO_2液滴を圧入し,マイクロフォーカスX線CTを用いて多孔質内部における挙動を観察した.圧入直後は多孔質空隙中にナノスケールCO_2液滴がほぼ均一に浸透することが分かった.さらに3日後にはナノスケールのCO_2液滴が空隙中でミクロスケールまで成長するものの,空隙中での分布は6日後おいてもほぼ同様であり,安定したトラップ状態が維持された.ナノスケールCO_2液滴は多孔質内部に均一に浸透した後,空隙程度のスケールまで粒径が増加するものの,依然として液滴に働く浮力は小さいために,毛管力によって空隙中に安定してトラップされることが分かった.これらの結果から,ナノスケールまで微粒化したCO_2液滴であれば帯水層内において安定して隔離できる可能性を示した.
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Research Products
(5 results)