2010 Fiscal Year Annual Research Report
ふく射二色法による高温ガス温度の"その場"測定技術の開発
Project/Area Number |
22760147
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高橋 周平 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40293542)
|
Keywords | 温度測定 / ふく射二色法 / 火炎温度 / 赤外線 |
Research Abstract |
本研究で用いるふく射二色法は,測定対象に含まれるCO2からのふく射強度を2つの波長帯について測定することで,対象温度を非接触で測定する方法である.温度を算出するにあたって,各温度,圧力,CO2濃度における4.4μm付近のCO2のふく射強度をあらかじめ把握しておく必要がある.このため,本研究ではふく射計算コードRADCALにより作成されたデータベースをもとに計算を行っているが,エンジン筒内に相当する高温高圧条件での推算値にはある程度の誤差を含んでいることが予想される.エンジン筒内は圧縮直線の500K付近から熱炎発生後の2000K程度まで,広範囲にわたって温度域が変化し,また圧力のそれに応じて大きく変化する.ふく射エネルギーは温度の低下に対して非線形に低下するため,2つの波長帯を,圧縮直後の比較的低い温度が適切に測定できるように選択する必要がある.しかしながら,このような条件では,熱炎発生時の温度計測に非常に大きな誤差が発生することが分かった.この原因として,2つの波長帯で測定されるふく射強度から算出される2つの濃度-温度曲線が,高温域では区別しにくくなり,先に述べたデータベース上の誤差が非常に大きな温度変動となって現れるためである.従来では,この現象を回避するために,測定波長域を切り替える必要があったが,本年度は,温度測定校正用のフラットバーナーを用いて半実験的な補正式を構築し,これを適応した.その結果,急速圧縮機を使った燃焼試験において,圧縮直前から熱延発生後の広い条件にわたって,単一のフィルターの組み合わせで温度測定を行うことに成功した.
|
Research Products
(1 results)