2010 Fiscal Year Annual Research Report
代替燃料を対象とした広域空間火炎・圧力波面挙動に関する研究
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22760160
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
大門 優 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 情報・計算工学センター, 研究員 (90415901)
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Keywords | 爆発 / シミュレーション / 安全 / 拡散 / 燃焼モデル |
Research Abstract |
本研究は、エタノール/ジメチルエーテル/水素といった代替燃料が漏洩・爆発した際のリスク評価の新しい解析手法の提案を行う。これまで経験的手法を用いて爆発事故被害は予測されてきたが、経験の少ない新たな代替燃料に対して安全基準を設けることは長い期間が必要となる。そこで、詳細な物理現象を模擬できる数値解析モデルを開発し、評価手法(漏洩から爆発、圧力伝播まで)を確立する。これにより安全なエネルギー利用の幅を広げることができる。 平成22年度作業: 1.燃料濃度分布を考慮することができる燃焼モデルの開発 大規模空間での燃焼現象には火炎を層流火炎の集まりとして表現するFlameletが有効であると考える。一方で化学反応の速度を無視しているため、化学反応速度に関わる詳細な挙動を追うことができない。そこで、本年度はFlameletモデルの他、laminar finite lateモデルを用いて解析することでモデルの特徴を理解した。Flameletモデルは燃焼速度加速効果を経験的に入れることができる一方、実験式が必要となる。laminar finite lateモデルは、燃料によっては素反応が解明されているが、正確な乱流と反応の相互作用評価のために、非常に大規模な格子点数が必要であり、今回の解析対象では難しいことがわかった。 2.LEMによる火炎面不安定性現象の再現 当初フロントトラッキング法を用いて火炎面を追跡することにより、火炎面の微細構造を再現し、燃焼加速効果を再現することを想定していた。しかし、ジョージア工科大学のMenon教授とアメリカ航空宇宙学会にて議論し、Linar Eddy Model (LEM)を用いて化学反応に対する乱流の影響を考慮することを検討した。本年は燃焼モデルのLEM部分のコード作成まで終了した。来年度、LEMを流体解析プログラムに組み込み解析を実施しその効果を明らかにする。
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Research Products
(3 results)