2012 Fiscal Year Annual Research Report
代替燃料を対象とした広域空間火炎・圧力波面挙動に関する研究
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22760160
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
大門 優 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 情報・計算工学センター, 研究員 (90415901)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 爆発 / シミュレーション / 安全 / 燃焼モデル / 漏洩モデル / 化学反応 |
Research Abstract |
本研究は、エタノール/ジメチルエーテル/水素等の代替燃料が漏洩・爆発した際のリスク評価における新しい解析手法の提案を行うものである。これまでは経験的手法を用いて爆発事故被害は予測されてきた。経験の少ない新たな代替燃料に対して安全基準をこれまでのように設けることは長い期間が必要となり、代替燃料導入における基準作りが難航することが予想される。そこで、詳細な物理現象を模擬できる数値解析モデルを開発し、評価手法(漏洩・拡散から爆発、圧力伝播まで)を確立する。これにより安全なエネルギー利用の幅を広げることが可能となる。 【漏洩モデル作成のための蒸発試験】 代替燃料が漏洩した際の漏洩モデルを構築するために、加熱した平板の上に代替燃料を流し、入熱量と蒸発の様子を観察した。加熱量によって蒸発の様子が異なることを理解し、漏洩モデルの開発に利用した。 【代替燃料詳細化学反応モデルの縮退と実装】 代替燃料の詳細化学反応モデルは化学種の数が非常に多いため、流体とカップリングして燃焼解析を実施するには解析負荷が大きく現実的ではない。そこで、ある圧力条件の範囲で精度を保つことができるよう化学種の数を縮退し、燃焼解析コードに実装した。検証のために、代替燃料の燃焼試験結果を持つドイツ航空宇宙センター(DLR)の研究者に協力を仰いだ。具体的には、DLRのメタン/酸素燃焼試験対応解析を実施し解析と比較した。解析結果は試験結果をよく再現しており、その実績は2013年ヨーロッパの航空宇宙学会にて発表予定である。また、代替燃料の詳細化学反応モデルの研究も行い、安全性評価で重要な自己着荷現象を明らかにし、ジャーナルに採択された。 以上の活動から、漏洩から爆発(燃焼)までの評価手法を確立した。さらなる精度向上が引き続き必要であるが、数値解析を用いた安全性評価手法の確立に大きく貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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