2011 Fiscal Year Annual Research Report
赤外レーザ吸収法を用いた部分予蒸発液滴間の火炎伝播特性の解明とモデリング
Project/Area Number |
22760161
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
菊池 政雄 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 主任開発員 (80371144)
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Keywords | 微小重力 / 燃焼 / 液滴 / 噴霧燃焼 / 数値計算 / 火炎 |
Research Abstract |
本研究の目的は、液滴周囲の燃料蒸気濃度分布が部分予蒸発液滴間の火炎伝播特性に与える影響の解明と現象のモデル化を行うことである。具体的には、3.39μm赤外レーザ吸収法による液滴周囲の燃料蒸気濃度計測法を落下塔による微小重力実験に適用し、非定常数値解析との連携により、部分予蒸発液滴の燃焼過程において発現するTriple Flameの構造と火炎伝播速度に与える燃料蒸気濃度分布(特に、液滴列中心軸と直交方向の燃料蒸気濃度勾配)の影響解明を目指した。 研究最終年度となる本年度は、昨年度改修した微小重力実験用装置を用い、落下塔による微小重力実験を行った。微小重力実験の手段としては、北海道赤平市にある3秒級落下塔(コスモトーレ)を利用した。実験装置は、燃焼容器、液滴列生成装置、液滴列支持部、液滴移動装置、観察装置、制御装置などで構成される。観察装置は、OHラジカル発光を観察するこれまでの光学系を取外し、赤外レーザ吸収計測を行うための赤外レーザ、レンズ、レーザ検出器、データロガー等が搭載された。実験時には、まず、正デカンの液滴列を液滴列支持部に生成し、実験装置を搭載した落下カプセルを落下させる。直後に、液滴列を燃焼容器内の高温空気中に挿入し、液滴周囲に予蒸発による燃料蒸気層を形成させる。その状態で、液滴列の中心軸に沿って赤外レーザを移動させることにより、液滴列の中心軸に沿ったレーザ透過率の分布を計測した。その結果、液滴列周囲の燃料蒸気層に対応した計測データの取得に成功した。 落下塔実験で得られた燃料蒸気濃度分布を、これまでの火炎燃え広がり実験における初期条件として考慮し、非定常数値解析コードを用いた部分予蒸発液滴列の火炎伝播過程に関する非定常数値解析結果との比較を通じ、火炎伝播特性に与える燃料蒸気濃度分布の影響に関する解析を行った。
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