2011 Fiscal Year Annual Research Report
誘電機能性流体を用いた受動・能動型双方に適用可能な慣性ダンパの開発
Project/Area Number |
22760165
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
松岡 太一 明治大学, 理工学部, 講師 (80360189)
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Keywords | 制振 / ダンパ / ダンピング / 振動制御 / 電磁誘導 / 慣性質量 |
Research Abstract |
導電性の流体と磁性粉体をピストン・シリンダに封入し,バイパス管内に電界および磁界を印加した時にフレミングの法則により流路内の流体を積極的に操作し,かつ磁界により見かけの減衰力を操作することによって,受動・能動の双方に適用可能な流体式の慣性ダンパを設計し,試作した.バイパス管は八角形の治具に固定され,その周囲に電磁石が,管両端部に金網が,管内部に電極が取り付けられている.バイパス管内部の導電性流体(塩水)に電界と磁界を加えると,電磁誘導により内部の流体に力が働き,移動することが確認できた.また,その流体中に微粒な鋼球を混ぜ,八方向からの磁界によってクラスタ形成し,その形状を変化させることができた.内部に働く力の理論式を導出し理論値を計算した.電極面積と電極間電圧,導電率の関係が理論式に従っていることが確認された.実験結果と傾向は符合したが,実験値の方が定量的に少ない値となった.これは電磁石による磁束強度が管内部で少ないこと,電場を印加した際の導電性流体の電気分解による塩素ガスの発生で起こる圧力低下の影響と考えられる.さらに,電極の面積が違う二種類のバイパス管を試作し,性能を調べた結果,電極の面積が大きい方がより大きな力を得ることが確認された.それらの形状を有限要素法の磁場解析により磁束密度分布を求め,概ね実験結果と符合した.次に,バイパス管をダンパに取り付けて,正弦波繰返し試験を行い,抵抗力特性を測定した.各電磁石の磁界の向き(磁極配置)を数種類に変えた場合,鋼球のクラスタ形状によって見かけのオリフィス径が変わり,荷重が変化することが確認された. これまでの研究成果をアメリカ機械学会に発表した。また,日本機械学会に発表予定である.
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Research Products
(1 results)