2011 Fiscal Year Annual Research Report
交差点の動的リスクマップ作成に基づく電気自動車の低速域自動運転システムの開発
Project/Area Number |
22760167
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
|
Keywords | 機械力学・制御 / 電気自動車 / 高度道路交通システム(ITS) / 制御工学 / 交通事故 |
Research Abstract |
本研究では、衝突リスクの高い交差点における自動車の自動運転システムの実現を目的とする。衝突事故を削減するため、自動車運動力学・制御工学の専門知識に機械学習の知識を取り入れ、交差点通過行動、左折、右折のための自動運転機能の理論的設計を行い、知能化した超小型電気自動車を用いた走行実験によりその有効性に明らかにした。具体的には、対向車や歩行者との衝突危険度(顕在リスク)と、経験則による潜在リスクを考慮した動的リスクマップ作成手法の確立と、そのリスクを回避するための低速域の自動運転システムを構築した。研究期間中に実施した内容は以下である。 (1)車載センサの融合による交差点周辺状態認識を用い、衝突リスク定量化とリスクマップ作成手法を確立した。 (2)市街地走行データから総合的に分析し、交差点通過・右左折のパターンから規範的な操作行動をモデル化し、自動運転の制御アルゴリズムを理論的に設計した。具体的には、センサ情報から周辺状況を認識・理解し、通過、右折、左折の可否を適切に判断するアルゴリズムを実装し、決定された行動に応じて自動車の運動を制御する。自動運転の操作制御アルゴリズムの基本構造は、交差点における一連の運転操作を状態遷移モデルによって記述し、経路追従と障害物回避を行うための目標車両運動状態を決定する。前輪操舵アクチュエータと左右独立駆動モータにより、車両運動制御システムを設計した。 (3)交差点環境における衝突リスクマップを時々刻々作成し、安全を確保するための最適な軌道と速度プロファイルを決定し、その軌道を追従する自動運転システムの設計を行い、シミュレーションおよび実車実験によりその有効性を検証した。平成22年度で開発した電気自動車の左右独立インホイールモータ制御による自動運転システムを拡張し、周辺状況認識および衝突リスクマップ作成により、時々刻々の周辺環境の動的変化に対応可能な自動運転システムを設計した。システムの有効性を検証するための実験シナリオは、映像収録型ドライブレコーダで取得した交差点ヒヤリハットデータに基づき設定した。また、様々な形状の交差点での実験を行い、提案した自動運転システムのロバスト性の検討を行った。
|
Research Products
(4 results)