Research Abstract |
申請者は,反射型触覚センサの原理を用い,人間の触覚の物理的特性に類似した材料で,人間の触覚と同等の計測性能を持つ触覚センサの開発を目標とした.本センサは柔軟な反射膜と,光てこの原理を利用することにより,精細かつ分布的に接触と変形を計測するところに独創的新規性がある.本センサの光てこの情報拡大により,人間の触覚解像度である0.1mm程度の高さ変位,200Hzの振動変化を定量化する詳細な触覚情報を取得可能なセンサとして,人の感覚をもつロボットハンドや,直感的インタフェース機器を実現する.本センサについて,1.透明弾性体の構成および形状の検討,2.変形に伴う反射特性の幾何光学的解析を進めることで,本センサにおける人間の触覚特性実現に向けた検討を行った.以下それぞれについて述べる.1.構造の異なるセンサモデルをシミュレーションにより作成し,有限要素法を用いて,角度変位の大きさの違いについて定量的に検証した.その結果,上層が下層に比して硬いセンサ構成をとることで,同じ力入力に対して比較的大きな角度変位が得られることがわかった.また,また,上層の厚みの変化により角度変位を制御できることがわかった.また,2.幾何光学的解析のため,追跡すべき光線群を3次元ベクトルにより立式した.そして,形状復元の逆問題を本式の最適化問題とすることで実時間に解を得る方法を提案し,シミュレーション画像を利用した復元から,誤差率を3%程度に抑えられることを検証した。そして,本方式を実際のセンサを用いて実装し,動作の検証を行った.今後は,本センサの試作および実装を通し,人間の触覚と同等なセンシングが可能なことを実証する.そして,応用装置として,インタラクティブデバイスの開発を進める.
|