2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760178
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥山 武志 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40451538)
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Keywords | 医療福祉 / 痒み / 動作計測 |
Research Abstract |
本研究課題は,引っ掻き動作の強度や頻度をモニタリングするためのウェアラブル引っ掻き動作センサの開発を行うことを目的としている.本年度は,指の角度計測センサを提案し,その基本特性評価を行った.さらに、前年度に開発した引っ掻き振動計測センサを改良し,引っ掻き強度とセンサ出力の関連性を評価した. 1.引っ掻き振動計測センサの改良 前年度、受感材である高分子圧電フィルムをアクリル製ケースで囲み,爪に固定した振動センサを開発し,引っ掻き音を計測できることを確認したが,爪とセンサの固定が不安定になり,爪の形状によりセンサ出力に個人差が出やすいことがわかり,シリコーンゴムで覆い爪に装着しやすくした小型マイクにより直接的に引っ掻き音を計測するセンサへ改良を行った. 2.指の角度計測センサ イオン液体と固体高分子電解質(SPE)を組み合わせた新しい柔軟曲率センサを用いて,引っ掻き時の指の角度を計測するセンサシステムを開発した.基本特性評価として,高速度カメラでセンサを装着した指の屈曲運動を撮影し,画像処理により得られた関節角度とセンサ出力との関係を評価した。その結果,ヒトの屈曲運動中の角度をセンサ出力から推定できることがわかった.引っ掻き動作中の指角度が計測できることで,指の接触角度が推定でき,ダメージの推定に有用であると考える. 3.引っ掻き強度と引っ掻き振動計測センサ出力の関係 ポリウレタン樹脂で製作した人工皮膚モデルに対して引っ掻き動作を行い,引っ掻き動作の時の接触力とセンサ出力の関係を明らかにする.そのため,人工皮膚モデルの下には、3軸力センサを配置し,接触力、さらには、引っ掻き動作に伴うせん断力の計測を行う.その結果,2名の被験者で実験を行ったところ,接触力とせん断力の増加に伴い,センサ出力の周波数成分の増加が増加し,引っ掻き音の音圧の増加を本センサで確認できることがわかった.しかしながら,引っ掻き速度や引っ掻き時の接触角度などによる引っ掻き音への影響もあることから,今後,それらとセンサ出力の関連性を調査する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大地震の影響によりセンサシステムが破損し、再度、製作することになり、本年度予定していた数値解析の実施がやや遅れている.しかしながら,引っ掻き振動計測センサ、指先力計測センサ、指角度計測センサの基礎特性を確認することができ,成果は得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,引っ掻き動作の力学的な特性とセンサ出力の関連性を解明するために,実験では,人主皮膚モデルに対する引っ掻き動作の力情報とともに,高速度カメラで撮影することで指の姿勢情報を得ながらセンサ出力を計測する、また,その力情報,姿勢情報を基に,数値解析を実施し,引っ掻き時の皮膚内部のより詳細な力学情報を得ることで,皮膚ダメージの推定手法の検討を行う.
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Research Products
(3 results)