2011 Fiscal Year Annual Research Report
ムカデ型多脚歩行ロボットにおける分散型事象駆動制御系の設計
Project/Area Number |
22760184
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
稲垣 伸吉 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (80362276)
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Keywords | 知能機械学 / 機械システム / ロボティクス / 多脚歩行 / 分散システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、複雑な環境下を自律的・半自律的に探索することができるムカデ型多脚歩行ロボット(1対の脚を持つ体節を接続して構成した多脚歩行ロボット)の実現を目指し、その歩行制御法である分散型事象駆動制御法「接地点追従法」に対して制御パラメータの設計論を確立し、歩行制御法を改良しながら運動性能を向上させることである。本研究では、ムカデ型多脚歩行ロボットの運動性能向上を目指し、歩行制御法である接地点追従法において、制御パラメータの設計論の確立と歩行制御法の改良を行う。 この目的を実現するために平成23年度に行った内容を以下に説明する。まず、ロボットと制御アルゴリズムの大域的挙動のより精緻なモデルの開発と、歩行可能なパラメータを導出するアルゴリズムを開発した。具体的には、平成22年度に提案したロボットと制御アルゴリズムの挙動を表現した時間オートマトンを、実際の挙動により近くなるように改良した。そして、計算論的検証法に基づく歩行可能な制御パラメータを導出する方法のアルゴリズムと,形式検証ツールUPPALLを利用した制御パラメータの自動導出ツールを開発した。次に、実機MUKADE1(5体節10脚のムカデ型多脚歩行ロボット)を完成させ、実機実験によって制御法を評価できるようにした。実機の組込プログラムの開発においては先に述べた制御パラメータ導出のアルゴリズムを有効に用いることができ、実機開発を通してその有用性を示すことができた。来年度実施予定の歩行制御法の改良に向けての土台ができたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
制御パラメータの自動導出ツールとしては不完全であることが理由である。ロボットと制御アルゴリズムの大域的挙動のモデル化において想定しているロボットの動作状況がまだ限定的であること、そして、用いている形式検証ツールが提案するアルゴリズムを表現するに足る機能を有していないことが問題である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度において取り組む課題は大きく二点ある.まず,制御パラメータの自動導出ツールを改善することである。具体的には、ロボットの様々な動作状況を想定した大域的挙動のモデル化を行うこと,他の形式検証ツールを試みること,物理シミュレータもしくは実機での実証を繰り返すことがその方策である。そしてもう一つは,ロボットの高機動性を実現するための歩行制御法「接地点追従法」の改良である。具体的には,制御アルゴリズムの改良と共に,それに合わせた物理シミュレーションと実機,また制御パラメータの自動導出ツールの改造を行っていく.
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