2011 Fiscal Year Annual Research Report
バイラテラル型ウェアラブル上肢訓練装置の機構および制御に関する研究
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22760188
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 大輔 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (50372686)
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Keywords | 人間支援ロボット / ウェアラブルロボット / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究課題で開発する装置により自動介助,自動運動訓練を実現するには,被訓練者の発生力に応じてスレーブ装置の発生力の大小を調節する機能を付与することが望まれる.そこで今年度はスレーブ角度制御系にコンプライアンス制御を導入しスレーブ装置の発生力を調節する手法を実現した.また,制御系内の設定コンプライアンスを訓練状況に応じて自立的に変更することで訓練モードを自立的に調節可能な制御系を確立した. 実現手法ではマスタ装置の関節角度とスレーブ装置の関節角度との差から求まる角度偏差とスレーブ装置の発生トルクの積から求まる現在のスレーブ装置が仮想的にマスタ装置の関節角度に到達するために要する仕事に着目した.制御系内の設定剛性を高めると被訓練者が関節を動かさなくてもスレーブ装置がマスタ装置の関節角度に近い角度となるよう被訓練者の関節を動作させる.そのため,この状態では他動運動訓練に近い自動介助運動訓練の状態となる.逆にこの状態から設定剛性を低く設定するとマスタ装置の関節角度に追従するためにはスレーブ装置に加え被訓練者自身も関節を動作させる必要がある.これは自動運動訓練に近い自動介助運動訓練に相当する.以上のことを考慮し,他動運動訓練時には剛性を高く,自動介助運動,自動運動訓練と訓練が進行するに従って剛性が低くなるようスレーブ装置の仮想的な仕事を入力としたニューラルネットワークを使用した.ニューラルネットワークは,制御系内で構築した仮想バネが蓄える仮想的なエネルギに着目し,仮想的なエネルギが設定値に収束するよう結合係数を調節することで剛性を変化させる.提案手法により他動ならびに自動介助運動などの徐々に装着者の発生力が増加する運動に対して剛性を徐々に低下させることができることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では仮想的な仕事による自立調節機能の実現を予定していたが,研究の進捗に伴いそれに加えニューラルネットワークというさらに高度で知的な調節機能を付与できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度開発した7自由度機構の可動域改善に取り組む.前年度の研究成果より,装置の基盤となる外骨格については完成しているため,これに空気圧ゴム人工筋以外のアクチュエータの組み込みおよびそれに伴う外骨格の改修を行う.
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Research Products
(1 results)