2011 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟ロボット指先による物体幾何形状と物体リンク構造の触覚センシング
Project/Area Number |
22760190
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
村上 剛司 九州産業大学, 工学部, 准教授 (80380682)
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Keywords | 多指ロボットハンド / 触角センシング |
Research Abstract |
本申請研究では,物体の幾何属性を計測可能なロボット触覚センサを開発し,ロボットハンドによる把握物体の(1)幾何形状と(2)リンク構造の計測を実現する.物体の幾何形状情報は力学的な安定把握やエッジを持つ物体の姿勢推定,物体エッジを軸とした回転操作など,多指ロボットハンドの操作能力向上に有用である.また,物体のリンク構造情報(例えば,ペンチの回転軸と柄の位置関係)は,物体を道具として利用する際に有用となる.道具を使用する際には,操作対象,道具,ロボットハンドが近接し互いに隠れを頻繁に生じさせることから,ビジョンシステムのみで前述の情報を常に得ることは難しい.また,ロボットハンドの指先に装着して物体の幾何属性を計測可能な触覚センサは現状では存在しない. 本年度は,既存手法との比較実験を通して,ロボット指先による接触点位置と幾何形状(物体エッジ方向)の計測に基づき回転関節を持つ道具のリンク構造(回転軸位置)を推定する提案手法の有効性調査を行った.道具の回転軸の位置推定に関して,従来の接触点位置のみを用いる手法と,提案手法による計測をそれぞれ行い,その推定精度を比較した.複数の計測条件の下で実験を行ったところ以下の知見が得られた.(a)道具エッジ上を指先接触点が移動した場合は,従来手法では物体の回転軸位置の推定精度が大きく低下したが,提案手法では推定精度の低下は小さかった.(b)両手法共に,回転軸に近い部位に指先接触点がある場合,および計測過程での道具の回転角度が大きい方が,推定精度が高い. 以上により,提案手法による物体の幾何形状とリンク構造の計測を実現し,提案手法が多関節多指ロボットハンドへ実装可能な触覚センシング手法であることを示した.
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