2011 Fiscal Year Annual Research Report
早期回復を促し安全で長時間駆動可能なエネルギー回生型ウエアラブル装具の開発
Project/Area Number |
22760192
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
芝田 京子 高知工科大学, 工学部, 准教授 (00307117)
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Keywords | エネルギー回生 / セミアクティブダンパ / アクティブ制御 / 能動リハビリ / 短下肢装具 / マスタースレーブ |
Research Abstract |
リハビリテーションの効果向上をねらいウエアラブルな機器や装具に制御機能をもたせ、かつ、外部電源を用いずに長時間の連続駆動を可能とするため、制御中の機器の動作や健常部の運動からエネルギーを回生することを検討した。 1.セミアクティブ制御の最適化では、電力回収率の高効率化が重要課題である。例題として短下肢装具を試作し、昇圧チョッパの基礎回路で数値計算と実験からデューティ比ごとの回生量を導出し、これを基にさらに、回路の実装、機構改善を行って試作機による歩行実験を行った。結果、片麻痺歩行で問題となる下垂足と歩きにくさが、歩行状態のセンシングにあわせた短下肢装具の足関節部の減衰可変制御により改善される結果が得られた。また、歩行時の足関節のブレーキ力の回生による電力回収率を導出した結果、86.5%となり、長時間使用が可能なことが明らかとなった。 2.アクティブ制御の検討として、小型軽量化を考慮したマイコン制御による2つのDCモータを用いたマスタースレーブシステムを試作した。健常側の運動をモータを通して電気エネルギーに変換し、そのエネルギーをもう一方のモータで機械エネルギーに再変換して麻痺側を駆動する。同様の過程により麻痺側の抵抗が健常側に帰還されるため、患者自身が麻痺側の反力を感じることができる。このとき問題となるのが電気系でのエネルギー消散による運動制御性能の低下である。改善策として、変位フィードバックにより小型バッテリを用いた損失分の補充、増速機構の挿入を行い、結果、理論と実験から、力センサを用いずに力覚を有しながら、広い駆動速度範囲において速度、位置に対する高い追従性を実現できた。よって、患者自身が自らの意思によりウエアラブル装具を操作できるシステムの開発が可能となり、能動的なリハビリにより脳神経系と連動させた効果向上が期待できる。
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