2011 Fiscal Year Annual Research Report
福祉機器の操作性を短時間で向上させるサブリミナルキャリブレーションの実験検証
Project/Area Number |
22760194
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
五十嵐 洋 東京電機大学, 工学部, 助教 (20408652)
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Keywords | 人間機械系 / 人間モデル / ニューラルネットワーク / 熟達 / サブリミナル |
Research Abstract |
本年度は,主に提案するサブリミナルキャリブレーションの熟達促進効果について検討を行った.本申請課題による研究の結果,提案手法が熟達促進効果を有する可能性が示唆された.そこで,操作入力特性を複数のニューラルネットワークによる人間モデルを用いて解析する新しい熟達評価指標を提案し,それを用いた熟達解析を行った.その結果,サブリミナルキャリブレーションにより,被験者の操作入力特性が熟練者に近づくことが明らかとなった. 新たに提案した熟達評価指標は,被験者の入力パターンを"異なる時系列情報をそれぞれ入力とする複数のニューラルネットワーク"にリアルタイムで学習させ,その予測誤差を観測する.この誤差分布はその被験者がどの程度過去の時系列情報を用いて操作入力を決定しているかを示すもので,試行回数を重ねて操作精度が改善するに連れてどのような変化が生じているかを解析した.その結果,操作入力決定に用いている情報がチャンク化(操作入力決定に用いる時系列情報のカタマリに一貫性が生じる)されることが明らかとなった.そして,サブリミナルキャリブレーションを施した被験者をこの熟達指標によって評価すると,実験の初期段階からチャンク化が顕著化する傾向か認められた. サブリミナルキャリブレーションは,操作者のイメージする操作対象のダイナミクスに,実機の特性を近づけることで操作性を高める効果を目指したものである.本年度の成果により,さらに操作者の操作入力特性に働きかけることが示され,さらにそれが熟練者の特徴である操作コマンド決定に用いる時系列情報のチャンク化を促していることが明らかとなった.今後,この効果を積極的に用いた熟達支援アプリケーションへの応用に向けた研究を継続する予定である.
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Research Products
(4 results)