2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760198
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
植村 充典 立命館大学, 理工学部, 助教 (00512443)
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Keywords | 共振 / 多関節ロボット / 筋駆動 / 適応制御 / エネルギー効率 |
Research Abstract |
平成22年度は、まず共振に基づいた高エネルギー効率運動制御法を、作業座標系の制御に拡張した。つまり、これまでは各関節に周期的な目標角度を設定していたのに対し、本作業座標系制御では手先の目標位置を設定する。よって、本制御法により多くのロボット作業のエネルギー効率を最大化できる。次に、本研究で想定している筋駆動系の高いバックドライバビリティを生かした運動制御法の提案を行った。この運動制御法では、従来の低バックドライバビリティのロボットでは困難であった物理的な衝突現象を含む運動制御を可能とする。制御系の大域的な安定性は数理的に解析し、提案制御法の有効性はシミュレーションにより確認した。また、本研究で重要な役割を果たす粘性や剛性を可変にできる新たな機構を提案した。本可変剛性機構は、これまで提案されてきた構造と比べて小型・軽量な要素を実現できるだけでなく、制作が容易である利点を持つ。新たに提案した可変粘性要素では、空気圧アクチュエータの構造を利用することで小型・軽量な機構を実現している。これら新たな機構により、今後の本研究では可変粘弾性機構を用いた多自由度のロボットを容易に、しかも小型・軽量に実現できる。さらに、共振を利用することで不整地を高エネルギー効率で移動できる新たな移動機構を提案しつつある。このように、平成22年度には本研究で重要な役割を果たす機械的要素の新たな構造や、基礎的な運動制御法の確立の一部を実現した。
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