Research Abstract |
本研究では,リハビリテーションに使用できるウェアラブル駆動システムや,情報ネットワークにおける人体への力フィードバックシステムの実現をめざし,人体に接触する環境で使用しても十分安全が保たれ,かつ,軽量な柔軟アクチュエータの開発と,使用者の負担を軽減するため,そのアクチュエータの制御に必要なウェアラブル小型制御機器の開発を目的とする.具体的には長時間動作可能なウェアラブル駆動ユニットの開発であり,それに関連した変位・湾曲センサー体型柔軟空気圧シリンダの開発と電池駆動も可能な自己保持機能を有する流体制御弁の開発である.本年度はこれらの機器の改良として,昨年度開発した,柔軟空気圧シリンダ用の柔軟リニアエンコーダのスリットチューブに改良を加え,チューブ周面にリング状のスリットを取り付けた新たなスリットチューブを製作し,チューブが回転した状態でも軸方向変位が計測できるリニアエンコーダを開発した.また,チューブが湾曲した場合でも軸方向変位が正確に計測できる湾曲補正方法を提案し,補正を含む計測システムを,組込み技術(マイクロコンピュータ)を用いて構築した.また,小容量のバッテリー等で長時間駆動することのできる制御弁として,以前開発した開口,閉口の保持状態でエネルギを消費しない自己保持機能を有する流体制御弁の速応性改善を目指した最適設計のための解析モデルを提案した.さらに,弁のパラメータ同定を行い実験結果と比較することでモデルの有効性を確認し,解析的に弁の速応性の評価が行える環境を構築した.また,自己保持機能を有しながら段階的な流量が調整できるデジタルサーボ弁の小型化を行い,以前開発した弁に比べ約70%の小型化を実現した.
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