2010 Fiscal Year Annual Research Report
商用周波数磁気ノイズを積極的に回収するエネルギーハーベスティング装置の開発
Project/Area Number |
22760206
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田代 晋久 信州大学, 工学部, 助教 (50325487)
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Keywords | エナジーハーベスティング / 商用周波数 / 磁気ノイズ |
Research Abstract |
(1)空心コイルの必要条件の導出 空心コイルの各種パラメータに対するエネルギー回収量を基に,エネルギー回収素子用空心コイルの検討を行った。空芯Brooksコイルでは地磁気程度の振幅を有する商用周波数磁気ノイズから1mW以上の電力が回収される設計パラメータを導出した。商用周波数60Hzの±10%以内の磁気ノイズを半値幅の範囲内で積極的に回収する条件を考えると,必要なQ値は5以上となることを明らかにした。直径0.5mm導線の抵抗率を室温における銅の抵抗率,占積率を0.9と仮定した場合,必要となるコイル外径は,50Hzに対して21.1cm,60Hzに対して19.3cm以上と導出された。 (2)空心コイルの製作 設計を基に4つの空心Brooksコイルを製作し,エネルギー回収モジュールとしての評価を行った。空心コイルが回収できるエネルギーは印加磁界振幅の2乗に比例した。その結果,最も性能の良いもので21.2μTの商用周波数磁界に対し6.32mW(擬似負荷での電力換算)のエネルギー回収に成功した。コイルの平均直径とQ値が大きいほど,電力回収に有利であるという実験結果は,設計で得られた知見に一致した。 (3)電力貯蔵安定化回路の最適設計 等価回路を基に,LTSpiceを用いてエネルギー回収モジュールの設計を行った。今年度得られた実測結果は,最適設計の70%程度の電力回収が行えたことが判明した。素子のばらつきを抑えることで,最適設計の90%程度の電力回収を行える見通しが得られた。また,エナジーハーベスティング技術開発者向けの最新電力貯蔵モジュールの情報を収集し,その中の幾つかを入手し評価した。
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Research Products
(1 results)