2011 Fiscal Year Annual Research Report
高粘性流体中の強磁性を示す異物除去のための磁気分離装置の開発
Project/Area Number |
22760210
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三島 史人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80558263)
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Keywords | 高粘性 / 強磁性 / 超電導磁石離 / 金属摩耗粉 / 磁気フィルター / マルテンサイト変態 / 粒子軌跡シミュレーション / 磁気分離 |
Research Abstract |
本研究の目的は,高粘性液体(数~10Pa・s)中から強磁性の金属磨耗粉を高効率に除去するための磁気分離装置の開発,およびその設計手法の確立を行うことである.分離対象粒子である金属磨耗粉は強加工されてマルテンサイト変態により強磁性を示すため,磁気力による選択的な分離が可能である.当該年度においては,主として10Pa・sの高粘性流体を媒質中での超電導磁石と磁気フィルターを用いた高勾配磁気分離装置のさらなる高効率化およびその条件設定の検討を行った.まず実験的検討については,高粘性流体の模擬試料として,粘度10Pa・sのポリビニルアルコール溶液に,強磁性のSUS304粒子を分散させたものを用い,磁気分離装置による分離を試みた.計算モデルとして実験を模擬した粒子軌跡シミュレーションを行った.磁場分布と流速分布の解析結果から粒子に働く磁気力とドラッグ力を求め,運動方程式から被分離粒子の軌跡を解き、その結果から流速に対する磁気フィルター1枚あたりの分離能力を算出し,分離能力の最適化を行った.開発した装置は,ポンプで超電導磁石のボア内に設置した磁気フィルター部に溶液を流す設計になっている.計算結果から得られた流速条件、フィルター枚数などの条件を整え、実験を行った結果,超電導磁石を用いた高勾配磁気分離によって,高粘性流体中の強磁性粒子を高効率に分離できることが示せた.粘度10Pa・sの高粘性液体の条件下の磁気分離において、計算結果と実験結果は良い一致を示し,分離対象粒子の分離条件の検討及び分離に必要なフィルター条件など,磁気分離の最適条件を計算により調べられる可能性が示された.
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