2011 Fiscal Year Annual Research Report
電気自動車用パワーシステムの小型軽量化に関する研究
Project/Area Number |
22760211
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山本 真義 島根大学, 総合理工学部, 准教授 (60432621)
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Keywords | ハイブリッド車 / 電気自動車 / 電気機器工学 / 高密度実装 / 磁性 |
Research Abstract |
ハイブリッドカー用昇圧チョッパ回路の小型軽量化の目的に対して、当該年度は三相化することでその目的を達成した。従来では平滑キャパシタ部の小型化を目的として並列化技術が盛んに研究開発されてきたが、今回は結合インダクタ方式を用いてインダクタ部の小型軽量化も実現した。三相化した場合の結合インダクタ形状については、これまで提案されたことがなかったが、本研究で全く新しい三相結合インダクタ方式に特化したインダクタコアを金型から製作し、実機評価まで達成している。 トランスコアについては、従来の三相化したインダクタコアと比較して結合インダクタ方式では3倍の出力電力を実現した。特に、本研究の実施計画では、新型三相コアにおける巻数、ギャップ長、最大出力電力の最適化設計が到達目標としていたが、その全てにおいて達成することができた。コア内に重畳する磁束成分を詳細に分析することによるギャップ長と巻数において最大電力を算出し、その条件の下に実機評価を行い、理論通りの最大出力容量で安定した実機動作を確認した。 この実機構築において、結合インダクタ方式三相昇圧チョッパにおいて、制御系についても最適化設計を行っている。特に従来の三相昇圧チョッパと比較して、パワー回路部における周波数特性を状態平均化手法を用いることで詳細に分析し、そのパワー回路部における周波数特性をベースに、発振を抑制可能な新しいアナログ制御設計法を提案し、実機構築を行った。この結果、最大出力電力時においても発振することなく安定した三相分の電流をバランスした動作を確認した。 上記の通り、新しく提案した結合インダクタ方式三相昇圧チョッパにおいて、コア部とその巻数、最大電力等の設計手法だけでなく、制御系まで含めたトータルシステム最適設計を行い、その有効性を実機システムにより確認を行った。
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