2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760214
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
市來 龍大 大分大学, 工学部, 助教 (00454439)
|
Keywords | プラズマ加工 / 電気機器工学 / 表面硬化法 / 大気圧プラズマ |
Research Abstract |
本研究により,パルスアーク型大気圧プラズマジェットを用いた鉄表面の硬化処理に世界で初めて成功した.以下に実験の内容および結果を示す. プラズマジェット装置を立ち上げ,窒素雰囲気下で鉄鋼を処理するための密閉チャンバーを作製した.窒素プラズマジェットのプルーム中において,窒化処理で最も重要と考えられる窒素原子が生成可能であることを分光法により検証した.しかし,当該の窒素プラズマジェットを試料に照射したのみでは残留酸素による酸化が支配的となり,その結果生成された酸化鉄の層が窒素の拡散を抑制して硬化が起こらないことが分かった.これを解決するため,残留酸素の還元を目的として処理雰囲気中に水素ガスの添加を試みた.その結果,酸化の抑制に成功し,窒素拡散による鉄表面の硬化が達成された.2hの処理により,500μmの深さまで硬化することが可能となった.さらに,現在までの実験条件では局所硬化する面積は数cm^2であることが明かとなった.大気圧下で高速プラズマ窒化処理が原理的に可能となったため,産業界で行われている真空装置を用いた手法に比べ,表面硬化法が大幅に簡便化されることが期待される. これらの結果をまとめ,2つの国内学会の全国大会において発表を行った.また,国内特許の出願および英文誌への投稿の準備を進めている.さらに,今年9月に中国で開催されるプラズマ表面技術の国際会議(AEPSE2011)で成果発表を行う予定である.
|