2011 Fiscal Year Annual Research Report
人体詳細モデルを用いた低周波領域における人体インピーダンスの基礎研究
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22760218
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
太良尾 浩生 香川高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (00321498)
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Keywords | 人体詳細モデル / 人体インピーダンス / 接触電流 / SPFD法 |
Research Abstract |
日本を含む先進国において開発されている人体数値モデルを用いて,代表的な電流経路である手足間や両手間における人体インピーダンスを数値解析するシステムを確立した。本システムでは,5千万要素程度までの大規模容量のボクセル計算に対応可能である。 当該年度では,年齢や体格の異なる,複数の人体数値モデルを用いて,人体インピーダンスの数値解析を行い,体格の違いによる人体インピーダンスの変化を検討した。体格により人体インピーダンスが異なることは容易に予想でき,低周波領域におけるその傾向を探ることは学術的に重要であり,十分な意義があると考える。数値解析の例として,手足間および両手間におけるインピーダンスに着目することとし,各人体モデルの手や足裏における電極データの作成を行った。この体格の違いを表すために,体重,身長,並びに体格指数であるBMIの3つをパラメータとした。 結果として,全てのパラメータが大きくなるに従って,全体的な人体インピーダンスは減少する傾向にあることが分かった。しかし,手首や足首では多種の組織によって複雑に構成されており,それを数値的に構築した各数値モデルによっては上のパラメータによらない差異が生じていた。一方,胴体と四肢を取り上げると,特にBMIとインピーダンスの間には強い負の相関性が見られた。さらには,腕のインピーダンスと脚部のインピーダンスの関係を検討した。これらの結果は,簡易な体格指数(BMI)から人体インピーダンスの推定が可能であることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実測が行えず,確立するためには未だ多くの検討課題はあるが,当初の目的をおおむね達成してる。
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Strategy for Future Research Activity |
人体組織のうち,特に筋肉線維は電気的に異方性を有しており,人体インピーダンスの検討にはこの異方性の考慮が重要である。今後は,この異方性や電極への接触面積をも考慮したインピーダンスの検討を行う予定である。
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Research Products
(3 results)