2011 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光・風力発電大量導入のための直接負荷制御法に関する研究
Project/Area Number |
22760219
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
近藤 潤次 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員 (20357049)
|
Keywords | 電力系統 / 周波数変動 / 直接負荷制御 / 風力発電 / ヒートポンプ給湯機 |
Research Abstract |
太陽光・風力発電の発電出力は激しく変動することから,大量導入すると電力系統への悪影響が懸念される。本研究は,情報家電等が普及し,個別機器との情報通信が容易になるであろう将来を想定し,電力系統に繋がる負荷の消費電力を通信手段を用いて制御し,太陽光・風力発電の出力変動を系統全体で補わせることで,太陽光・風力発電の導入可能量を増大させる技術を確立することを目的とする。 制御対象負荷として,CO2冷媒ヒートポンプ式給湯機への適用検討を進めた。理由は,需給バランス維持のため出力調整を行う火力発電の多くが停止し周波数調整が困難になる夜間の大容量負荷であること,またCOP=3以上が期待できる省エネ性から今後の普及拡大が見込まれるためである。昨年度,系統周波数や貯湯槽温度を計測し,かつRS-232Cを用いた双方向通信により外部指令に基づきオン・オフ制御できるヒートポンプ式給湯機を試作した。今年度は,昨年度の制御手法の改良と,実需要家の使用状況での実証試験を行った。 昨年度の課題に,ヒートポンプ式給湯機が勝手に加熱運転をやめてしまい,それを制御ボードで認識できないことがあった。ヒートポンプユニットへ入る水の水温が60℃程度になると停止することが分かったため,この温度を制御ボードで計測することでこの問題を解決した。 改良した制御手法を組み込んだヒートポンプ式給湯機を,青森県六ヶ所村の戸建住宅に設置して,実証試験を行った。ヒートポンプ式給湯機を2011年6月に設置し,10月まで通常の市販ヒートポンプ式給湯機として動作させた後,10月に制御ボードを組み込み,本研究の開発手法により系統周波数調整に貢献するヒートポンプ式給湯機として2012年3月まで動作させた。NTTのフレッツ光およびVPNワイドを用いて,計測値をリアルタイムで茨城県つくば市にある研究室でモニターし,かつ直接制御も行えるようにした。
|
Research Products
(2 results)