2011 Fiscal Year Annual Research Report
NBTIの解明のため超薄膜金属を用いたMOS構造内の元素拡散のその場観察
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22760222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
趙 明 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50512224)
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Keywords | NBTI / 高精度ERDA / 高精度RBS |
Research Abstract |
H23年度にERDAの手法を用いCMOS用の汎用Si基板にH含まれることを見いだし、従来のNBTI理論に関するの1つ未実証の仮説の実験証明ができた。また、260℃以上の設定温度で、HがSi基板外に拡散することを観測し、拡散律速論と呼ばれるモデルがNBTIに適用できることを証明した。この結果を受け、CMOSの製造パラメータを最適化するモデルの構築が可能となると考えられる。 H23年度における3つ計画に関して、以下のような成果が得られた。 1.超薄型連続金属膜の作製 NBTI解明のため、電子デバイスの構造の一部である絶縁層の上に均一な電位を提供する金属薄膜の作製を完成した。昨年度に引き続き、薄膜の均一性の向上を達成できた。また、金属膜の蒸着により、Si基板中のH濃度が増加することを観測した。 2.high-k薄膜の作製 昨年度に引き続きHfO2膜の均一性の向上を行った。 3.NBTIストレス・テストでhigh-k CMOSの要素の拡散を解明 3.1 High-k膜を用いてCMOSの作製。 NBTIがCMOSの主な劣化原因であると考え、その解明のため、前述した1と2の薄膜を用いてCMOSの構造と同じhigh-kスタックを試作した。ERDAで、複数の薄膜に対し、スタック中のHの分布を検討した。PdとAuの2種類の膜において、Si基板にHが導入されることが分かった。CMOSの特性に影響を及ぼす要因としてHの拡散があるが、それが制御できることを示した。 3.2 RBSとERDAによるHの拡散性を探索。 3. 1のhigh-k薄膜をに、Hを導入したCMOSと同じ構造のhigh-kスタックの高温ストレス・テストを行った。260℃以上の設定温度で、Si基板のHの濃度が減少することを観測した。この結果から、拡散律速論と呼ばれる仮説がNBTI発生原因に適用できることを証明した。
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