2010 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性‐反強磁性型二次元ナノ構造体におけるスピン配列の解明
Project/Area Number |
22760224
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
長谷川 崇 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 助教 (10564742)
|
Keywords | L1_0規則合金 / FePtRh / ナノドット / ビット・パターンド・メディア / 強磁性-反強磁性相変化 / 交換結合 / 磁化反転 / 磁気力顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)強磁性相と反強磁性相がナノスケールで2次元的に規則配列したナノ構造体の作製法の確立と(2)その物理的形状評価、並びに(3)その磁気特性評価である。磁化過程やスピン配列に関する基礎的な知見を得るとともに、最終的には次世代ハードディスク(HDD)として注目されているビット・パターンド・メディアへの応用の可能性を明らかにする。本年度は上記(1),(2)を実施した。 (1)強磁性-反強磁性型二次元ナノ構造体の作製 ドットの結晶構造の均一性と製造の容易さに大きな特徴をもつ新規な磁性ナノ構造体の作製法を確立した。L1_0-FePt_<1-x>Rh_x薄膜は、Rh添加量がx=0.34付近で強磁性(FM)が反強磁性(AF)に急激に変化する。ここで、AFを示すx=0.36の薄膜に対し、Fe,Pt原子を部分的に添加すると、添加された微小領域の組成がFM-AF相変化の臨界組成を越えてFM側(x<0.34)へと移動する。この手法を用いることで、薄膜全体の結晶構造をL1_0型で一様に保ったまま、AF母相中に直径50nmのFMドットを形成できた。 (2)ナノ構造体の物理的形状評価 原子間力顕微鏡や電子顕微鏡等を用いて、ナノ構造体の物理的形状評価を行った。その結果、加工の精度(ドット径やドット中心位置等)は、全て設計値からのズレが数nm以内であった。膜表面における最大高低差と表面粗さ(Ra)は、それぞれ2~3nm程度、0.4nm程度であった。これよりHDDへの応用の観点からは、磁気ヘッド浮上にはほぼ問題がない程度の表面形状が得られていることがわかる。
|
Research Products
(5 results)