2011 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性-反強磁性型二次元ナノ構造体におけるスピン配列の解明
Project/Area Number |
22760224
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
長谷川 崇 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 助教 (10564742)
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Keywords | L1_0規則合金 / FePtRh / ナノドット / ビット・パターンド・メディア / 強磁性-反強磁性相変化 / 交換結合 / 磁化反転 / 磁気力顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究の目的は、強磁性(FM)相と反強磁性(AF)相がナノスケールで2次元的に規則配列したナノ構造体の作製法の確立とその物理的形状評価、並びにその磁気特性評価である。本年度は磁気特性評価を実施した。実験では(a)FM-弱FMナノ構造体と(b)FM-AFナノ構造体を作製し、磁化過程やスピン配列に関する基礎的な知見を得るとともに、最終的には次世代ハードディスクとして注目されているビット・パターンド・メディア(BPM)への応用の可能性を検討した。 (a)FM-弱FMナノ構造体 ドットースペーシング間の交換結合の強さはドット保磁力未満であり、各ドットの磁化反転は互いに独立に制御可能であることがわかった。また保磁力分散(δHc)が約2/5に低減された。すなわちBPMへの応用の観点からは、FM-弱FM交換結合はドットの磁化反転を促進(アシスト)しバラツキを抑制する効果が期待される。 (b)FM-AFナノ構造体 印加磁場(H)100kOe中で300Kから5Kまで冷却する磁場中冷却過程を経た後に、MCDヒステリシスループの測定を行ったが、H軸方向へのループシフトは生じなかった。このことからFMドット-AFスペーシング境界には交換バイアスは働かないものと結論した。これはAFスペーシングにおけるスピン配列がAF1またはAF3型であるか、またはAF膜厚(6nm)がスピンフラストレーション形成のための臨界膜厚よりも薄かった可能性が考えられる。このことはBPMへの応用の観点からは、反転磁場分布の抑制に対して有利であると考える。
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Research Products
(6 results)