2010 Fiscal Year Annual Research Report
閃亜鉛鉱型MnAs強磁性ナノ微粒子を用いたスピン起電力デバイスの研究
Project/Area Number |
22760225
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
PHAM NAMHAI 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (50571717)
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Keywords | 半導体スピントロニックス / MnAs / 微粒子 / クーロン・ブロッケード / スピノダル分解 |
Research Abstract |
1.MnAs微粒子を含んだ単電子スピントランジスタの作製および長いスピン緩和時間の観測 単一MnAs微粒子を含んだ単電子スピントランジスタの作製に成功した。素子のトンネル磁気抵抗(TMR)比のバイアス依存性を調べたところ、TMR比がバイアスに対して振動する現象を観測した。スピン蓄積を考量したSelf-consistentの数値計算によって、微粒子のスピン緩和時間が10μsと長いことが分かった。この長いスピン緩和時間が微粒子の量子サイズ効果によって説明できた。単電子スピントランジスタは次世代の超高密度と超低消費電力の磁気メモリおよび再構成可能な論理回路に応用できることを示すことができた。 2.バラツキが少ない微粒子の作製に向けた強磁性半導体の相分離ダイアグラムの研究 格子モデルを用いて強磁性半導体の相分離ダイアグラムの測定方法を提案した。実際にこの方法を(GaMn)Asに応用して、GaAs格子中のMn原子の相分離ダイアグラムを測定した。その結果、相分離エネルギーの実験値が分かり、第一原理計算による計算値とよく一致したことが分かった。さらに、このダイアグラムを用いて、粒子サイズと粒子間隔が均一なMnAs微粒子の作製に成功した。これによって、バラツキの少ない微粒子の作製方法を確立できた。
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Research Products
(13 results)