2010 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン上への高品質ハーフメタルフルホイスラー合金形成技術とスピン注入技術の創出
Project/Area Number |
22760226
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
周藤 悠介 東京工業大学, 像情報工学研究所, 特任助教 (80523670)
|
Keywords | スピントロニクス / MBE,エピタキシャル / 先端機能デバイス / 磁性 |
Research Abstract |
本研究課題では,シリコンCMOSテクノロジーの微細化に頼らない新たな機能向上の方法として,スピントロニクスの概念をシリコンテクノロジーに導入した"シリコン・スピントロニクス"技術の確立・展開する.その中で最大の課題は,シリコンチャネル中へのスピン注入/検出/操作技術の確立である.そこで本研究では,高効率のスピン注入源およびスピン検出器として有望なハーフメタル・フルホイスラー合金(Co_2FeSi,Co_2FeGe)をシリコンプラットホーム上へ高品質にエピタキシャル形成する手法の開発,および,シリコンチャネル中におけるスピンの挙動を把握・操作することに最適化したデバイスの設計・作製技術の開発を進め,最終的にシリコン・スピントロニクスのキーデバイスであるスピンMOSFET作製のための基盤技術の確立を目指す.平成22年度は,ホイスラー合金と格子整合が容易なGe-On-Insulator(GOI)基板を用いて,急加熱・急冷却をともなう熱プロセスによってフルホイスラー合金Co_2FeGeを高品質に形成する手法を見出した.これは,現行のCMOSテクノロジーのみならず,次世代のGeチャネル・高移動度MOSFETに対しても適応可能と考えられ,将来のGeチャネル・スピンMOSFET作製のために非常に有用な技術である.また,シリコンチャネルに対するスピン注入・検出を高感度に測定可能な非局所配置マルチターミナルデバイスの設計を,デバイスシミュレータを用いて行った.今後これらの結果を基にして,実際にフルホイスラー合金をスピン注入・検出電極に用いたデバイスの作製へ進む.
|
Research Products
(4 results)