2012 Fiscal Year Annual Research Report
積層膜型有機EL素子内キャリア挙動のリアルタイムその場観察・解析手法に関する研究
Project/Area Number |
22760227
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田口 大 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (00531873)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 解析・評価 / 電子・電気材料 / 誘電体物性 / 電子デバイス・機器 / 長寿命化 / 有機EL / 有機薄膜太陽電池 / 劣化 |
Research Abstract |
本研究では、光学的手法を用いることで積層膜型有機ELデバイス内部で生起するキャリア挙動のリアルタイム評価を実現した。これにより、ELデバイス内部の電界分布を計測してキャリア挙動を直接評価した。その上で、積層有機膜界面での電荷蓄積現象に着目し、これを界面分極プロセス(マックスウェル・ワグナー効果)として捉えなおすことで解析した。本年度は、これまで構築した電界誘起光第2次高調波発生(EFISHG)法を用いて積層型有機EL素子のEL輝度劣化現象に取り組んだ。この結果、交流駆動電圧のDC成分(EL輝度劣化の進行が速い駆動電圧波形の一つ)により定常的に積層有機膜界面に電荷蓄積が生じていることを直接実験で明らかにした。これらの電荷は有機膜内部に空間電荷電界をつくり、EL発光現象に影響する。IZO/a-NPD/Alq3/Al積層ELデバイスではEL発光時にa-NPD/Alq3界面に正の電荷が蓄積し、交流駆動電圧の周波数が低い領域ではIZO電極からの正孔注入が小さくなるためEL輝度が小さくなり、周波数が高い領域では電圧OFFの時間にAl電極から電子を引き込みEL発光することを明らかにした。一方で、DC成分のない交流駆動電圧では、EL発光中の正電荷蓄積は生じるが、逆バイアスが印加される間に蓄積電荷が引き抜かれるため定常的な電荷蓄積は生じない。本年度は当初計画した積層型有機EL素子のほか、EFISHG法によるEL再結合発光現象の観測として有機発光トランジスタおよび積層型両極性トランジスタでのEFISHG測定も実施し、トランジスタ構造を用いた素子でのEL・再結合現象に至るキャリア挙動のイメージングにも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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