2011 Fiscal Year Annual Research Report
アイリス面空間分割による光方向制御技術の確立と高品位三次元ディスプレイへの新展開
Project/Area Number |
22760239
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石鍋 隆宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30361132)
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Keywords | 液晶ディスプレイ / 三次元ディスプレイ / アイリス面空間分割 / 光方向制御 / 裸眼 |
Research Abstract |
本研究は投射光学系におけるアイリス(絞り)面に配置した液晶シャッターを用いてアイリス面を空間分割することにより、精密な光の方向制御とそれに基づいた高品位立体表示技術を確立することを目的として、液晶シャッターによるアイリス面の空間分割法、およびレンズ光学系の最適設計条件の明確化、スクリーンに結像された光の精密な方向制御手法の確立、液晶シャッターの光学設計条件および駆動条件の明確化、これを用いた立体表示システムの構築と有効性の実証について検討を行った。 本年度は裸眼立体ディスプレイにおける奥行き方向の観察範囲の拡大を目標として液晶空間分割シャッターの最適設計条件の導出を行った。従来の裸眼立体ディスプレイでは観察領域がダイアモンド形状となり、良好な立体画像を観察する範囲が限定される他、立体感を作り出す両眼視差の効果が重要となる近距離での観察において光の利用効率が悪くなるという問題を有していた。この問題に対して、1枚のレンズを加えマイクロディスプレイ等の画像デバイスを焦点距離の位置に配置し、画像光をコリメートすることで、液晶シャッターが配置可能なアイリス空間を拡大すると共に、複数枚の液晶シャッターを配置することで高い光利用効率と広い観察範囲を有した裸眼立体ディスプレイが実現可能であることを明らかにした。 更に、前年度に考案した画像光の偏光状態の制御に基づいた視差画像の方向制御技術を基に、偏光保持特性を有した指向性光拡散フィルムを新たに開発しこれと組み合わせることで液晶シャッターの駆動を静的なものとし、画像のちらつきや明るさの均一性を改善できるだけでなく、極めて高い光利用効率を達成できることを初めて明確化した。 以上の成果を基に立体ディスプレイの試作を行い、良好な立体表示が実現され設計理論が妥当であることを確認した。
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