2010 Fiscal Year Annual Research Report
液体誘電泳動を利用したフェムトリットル液滴の搬送・混合デバイス開発
Project/Area Number |
22760243
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久米村 百子 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (50533642)
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Keywords | 液体誘電泳動 / 液滴搬送 / オープンマイクロデバイス / バイオリアクタ |
Research Abstract |
本研究は、液体誘電泳動を用いた電気的な液体搬送方法による微少量のバイオ反応システムを提案・開発し、その有効性を検証することを目的としている。液体誘電泳動による微小液滴の搬送では、平行に配置した電極の末端にマイクロピペットで数マイクロリットルの液滴を配置し、電極に交流電圧を印加えることによって見かけの基板の濡れ性を変化させ、液体を移動させる。 22年度は、平行に配列した電極を2組隣合わせ、それぞれの電極上で液滴を生成させたのち、電界変化により2組の液滴を混合させるデバイスの作製と実験を行った。液体誘電泳動では、電圧により液体を移動させるため、導電率の高い溶液を用いると、電極が電圧崩壊する問題があるため、バイオ試料の混合を行うために、搬送させたい溶液の導電率について検討した。塩化カリウム溶液で、しきい値を求めたのち、酵素であるベータガラクトシターゼと基質を含む微小液滴の形成と混合を行った。200pLほどの酵素、基質を含む液滴を生成させ、混合することができた。酵素反応を蛍光顕微鏡により確認した。しかし、液滴生成過程で、電圧崩壊してしまう現象が見られたため、液滴の導電性以外のファクターについても検討しなければならないことがわかった。
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