2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳、神経細胞内、電気・化学ナノスケール解析プローブアレイデバイスの開発
Project/Area Number |
22760251
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
河野 剛士 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70452216)
|
Keywords | ナノプローブ / 細胞内電極 / 細胞内プローブ / ドラッグデリバリーシステム / 集積回路 / MEMS / Vapor-Liquid-Solid成長法 / 脳・神経科学 |
Research Abstract |
本研究課題は、先端直径"10nm~50nm"の細胞内用ナノプローブアレイ集積化デバイスを新しく提案し、そのデバイス製作及び電気的(記録/刺激)、化学的(薬液投与)な脳組織内、神経細胞内のナノスケール計測・解析を目指すものである。このような脳組織内部のナノ計測技術はこれまでに確立されておらず、成果としては脳・神経科学の基礎研究を進める強力なデバイスの実現が期待できる。このような研究課題を達成するため、今年度は下記項目を実施した。 ナノプローブ集積化プロセスの確立:ナノプローブ集積化プロセスを確立した。Si基板上IC、MEMSプロセス後に、選択的にマイクロプローブを選択VLS成長で製作し、その後、フォトレジスト・スプレ-法によるプローブ全体保護、先端を酸素ガスエッチングで露出、プローブ先端Siエッチングによりナノプローブ化を実現した。 ナノプローブ先端形状制御細胞内刺入用プローブとして先端ナノプローブの先鋭化角度制御を実施した。 先鋭化には溶液(HF+HNO_3)を用いたSi等方性エッチングを用いており、その溶液混合比をパラメータとすることで、プローブ先端角度(11°~38°)が制御できることを明らかにした。先端局率半径は最小で40nmを実現した。この局率半径は、追加のSi熱酸化とSiエッチングにより更に減少できる値である。 ナノプローブ細胞刺入試験:擬似サンプル(Gelatin)を用いたナノプローブ刺入試験をとおして、ナノプローブの刺入が可能であることを確認した。加えて、プローブ刺入を有限要素法で解析し、先鋭化ナノプローブの細胞刺入の優位性(圧力集中、局所性)も定量的に評価した。 集積回路、MEMSシステム集積化:ナノプローブチップ搭載用集積回路を検討した。電気的記録・刺激用として、ナノプローブと同一基板に集積化可能なSi-(100)MOSFETプロセスを提案した。選択VLSプローブ成長にはSi(111)基板を必要とするため、Si(100)/Box/Si(111)構造のSOI基板を用いた。Siプローブ形成後のMOSFET/(100)の動作も確認した。
|
Research Products
(21 results)