2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳、神経細胞内、電気・化学ナノスケール解析プローブアレイデバイスの開発
Project/Area Number |
22760251
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
河野 剛士 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70452216)
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Keywords | ナノプローブ / 細胞内電極 / 細胞内プローブ / ドラッグデリバリーシステム / 集積回路 / MEMS / Vapor-Liquid-Solid成長法 / 脳・神経科学 |
Research Abstract |
本研究課題は、先端直径"10nm~50nm"の細胞内用ナノプローブアレイ集積化デバイスを新しく提案し、そのデバイス製作及び電気的(記録/刺激)、化学的(薬液投与)な脳組織内、神経細胞内のナノスケール計測・解析を目指すものである。このような脳組織内部のナノ計測技術はこれまでに確立されておらず、成果としては脳・神経科学の基礎研究を進める強力なデバイスの実現が期待できる。このような研究課題を達成するため、今年度は下記項目を実施した。 ナノプローブ機能化:ナノプローブの電気的機能化を実現した。ナノプローブ側壁には絶縁膜(酸化膜、Parylene)を形成、先端は、細胞適合性・細胞内電極を考慮した金属電極を形成した(白金、金)。プローブの電気的特性は、溶液中Dielectrophoresis法によるpolystyreneナノ粒子の吸着で評価した。 刺入試験:Gelatinを用いたナノプローブの刺入試験を実施した。先のpolystyreneナノ粒子をプローブ先端に吸着させた後、ナノプローブアレイをGelatinに刺入したところ、ナノプローブの長さと同等のGelatinの深さ位置(2.0μm)にナノ粒子が注入できていることを共焦点顕微鏡で確認できた。また、Gelatin中に注入されたナノ粒子はプローブアレイと同等の間隔(100μm)を示した。 培養細胞内DNA導入ナノプローブ:ナノプローブアレイを用いた各種細胞へのDNA導入に成功した。これまでに、培養したHEK293細胞に対し改変YFP (yellow fluorescent protein)を滴下、ナノ先鋭化プローブを細胞に対し刺入を行うことでDNAの局所的導入に成功している。 脳切片サンプル内細胞刺入:上記の培養細胞サンプルに加えて、高アスペクト比のプローブ形状の特徴を生かし、深さを有する脳切片サンプルに対しても深部細胞内へのDNA導入を実施し、その可能性を示した。 集積回路、MEMSシステム集積化:電気的記録・刺激、化学的薬液搬送用の機能化ナノプローブ用として、各種回路・システム(増幅器)を同一Siチップ上に集積化した。チューブ用配線の集積化も実現した。
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Research Products
(16 results)