2012 Fiscal Year Annual Research Report
有機液体を用いた多原子分子イオン源の開発と極浅イオン注入への応用
Project/Area Number |
22760252
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 光明 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10552656)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 微細プロセス技術 / イオン注入 / イオン液体 / イオン源 |
Research Abstract |
平成24年度は, 低粘性のイオン液体にも対応できるようイオン源の改良を行ない, 放出イオンの電流特性や電流安定性, より詳細な放出イオンの質量分析を実施した. また, 前年度に引き続きホウケイ酸ガラス基板表面へイオン液体イオンビームを照射し, 表面処理・修飾・改質についての更なる評価・検討を行なった. 粘性の低いイオン液体であるEMIM-BF4およびEMIM-N(CN)2にも最適化するよう, エミッタ構造を改良した. 具体的には毛細管現象および静水圧のみによりイオン液体を輸送する構造であったものを, シリンジおよびシリンジポンプを追加してより精密にイオン液体の供給レートを制御できるようにした. また, ステンレス製であったエミッタ胴体部を真空下でも脱ガスの少いプラスチックであるPEEKに変更することにより,異常放電を抑制し安定なイオン源の動作を実現した. また, 当初から用いていたイオン液体であるBMIM-PF6についても, より安定なイオン放出を達成した. ガラス基板へBMIM-PF6イオンビーム, EMIM-BF4イオンビームを照射し, 照射効果の照射量依存性を検討した. その結果, BMIM-PF6イオンビームの照射量が1e13,1e14 ions/cm2では表面平坦化が確認されたが, 1e15 ions/cm2では表面粗さが増加した. また, 走査型電子顕微鏡観察では, EMIM-BF4イオン照射試料では帯電して明瞭な像が得られなかった方, BMIM-PF6イオン照射ガラス基板では帯電なく観察できることがわかった. 光電子分光の結果から, 帯電の原因はEMIM-BF4イオン照射にてガラス表面にて反応・生成されるフッ化バリウムにあると考えられる.また, ガラス表面の平坦化は表面に電気伝導性を有するイオン液体生成物層が形成されるためと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)