2011 Fiscal Year Annual Research Report
軟・硬磁性交換結合パターン媒体へのマイクロ波アシスト磁気記録シミュレーション
Project/Area Number |
22760253
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 輝光 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (20423387)
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Keywords | 磁気記録 / 電子デバイス・機器 |
Research Abstract |
次世代超高記録密度ハードディスクドライブ(HDD)の実現に必要な新技術のひとつとして注目されるマイクロ波アシスト磁気記録(MAMR)では、高記録密度化に伴うマイクロ波磁界の高周波、大出力化がその潜在的課題とされている。本研究では上記課題の解決手法として媒体の硬・軟磁陸交換結合構造化(Exchange coupled composite : ECC)に着目し、形状が整ったECCピラーを規則的に配列して構成されるパターン媒体における記録過程をマイクロマグネティック計算を用いて模擬し、5Tbits/inch^2以上の記録密度達成に必要な媒体の物理的・磁気的特性を推定することを目的とした。 本年度の研究実施計画は、(1)マイクロ波アシストを利用したECCパターン媒体への記録シミュレーション、(2)ベターン配列と記録信号周波数のシンクロナイズエラー許容値の検討、の2点である。(1)に関しては、立案当初に懸念された通り、計算時間が極端に長くなる結果となった。これに対し、グラフィックボードに搭載されているGPUを用いた並列計算を導入し、計算時間を1/40にまで短縮することに成功し、計算の効率化を図った。パターンサイズとパターン間隔が1:2の記録媒体において10Tbits/inch^2以上の信号記録が可能であることがコンピュータシミュレーションによって確認された。ただし、磁性体の磁気パラメータは一本のECCピラーの磁化反転特性から推測した最適値よりもソフト層の磁気特性はハードに、ハード層の磁気特性をソフトにし、なおかつハード層の膜厚を増やして熱安定性を確保する必要がある。(2)に関しては、信号書き込み時のシンクロナイズエラーがおよそ30%を超えると急激に書き込みエラーが増加することが分かった。
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Research Products
(17 results)