2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760254
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
五箇 繁善 首都大学東京, 理工学研究科(電気電子工学専攻), 准教授 (80305416)
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Keywords | 超小型原子発振器 / CPT共鳴 / ラムゼイ共鳴 / マイクロ波発振器 |
Research Abstract |
超小型原子発振器の高性能化・低消費電力化を実現するために,水晶振動子より数桁優れた周波数安定度の獲得を目指し,次の2つの課題に関しての研究を行った. [課題I]省電力化に適したレーザ変調周波数の選択 超小型原子発振器を実現する上で,マイクロ波発振器とその周辺PLL回路の電力が消費電力全体の半分以上を占める.この消費電力を削減するために,レーザ変調強度を上手く調整し,発生させるサイドバンドの2次成分(従来は1次成分を利用)を利用することで,マイクロ波周波数を1/2にし,マイクロ波発振器および周辺回路の消費電力を半減させることを試みた.133Csガスセルを利用した基礎的実験により,1/2のマイクロ波周波数においても良好に原子共鳴が観測出来ることを確認し,さらに1/4の周波数でも観測可能なことを明らかにした. [課題II]小型化に適したCPT共鳴線幅の狭線化とS/N比の改善 CPT共鳴のS/N比向上のため,励起用半導体レーザの出力波長を乱さずにパルス化し,共鳴振幅の増加と共鳴Q値を向上させる事を試みた.液晶を用いてレーザパルス化に関する基礎的検討を行った結果,パルス励起によりCPT共鳴のコントラストはそれほど低減させずに8倍の共鳴Q値を得ることが出来た.加えて,長期安定度の指標となるライトシフトの影響を1/3以下に低減できることも示され,周波数における短期安定度・長期安定度共に向上できることが明らかになった. 現在,上記課題2つの方法を組み合わせることにより,省電力化と高安定度を両立させた高性能な超小型原子発振器に関する検討を行っている.
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