2010 Fiscal Year Annual Research Report
無線通信基地局用 周波数・空間フィルタ一体型アンテナの研究
Project/Area Number |
22760261
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
本間 尚樹 岩手大学, 工学部, 准教授 (70500718)
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Keywords | アンテナ / 減結合回路 / アレーアンテナ / 相互アドミタンス / 分布定数回路 |
Research Abstract |
本研究は,携帯電話などの無線通信基地局用に対し,周波数・空間フィルター体型アンテナを適用することによって通信距離の伸長,伝送速度の向上を果たすことを目的としている.本年度は,小規模なアンテナ構成における減結合回路構成法を実現することを目的とし検討を行なった.この減結合回路によって基地局アンテナの送信信号が受信アンテナに回り込まないようにすることで,受信アンテナへ直接低雑音増幅器を取り付けが可能になり,受信信号の信号対雑音比を大きく改善し通信距離を伸長することができる.高アイソレーションを実現する減結合回路の構成法として,分布定数回路のみを用いた低損失・簡易減結合回路を提案した.アンテナのアドミタンス行列に着目し,相互アドミタンスのみを抑圧することで減結合回路を簡易に構成することが可能になった.そのため,集中定数素子の実装が不要になり,低コストに減結合回路を実現することが可能になった.また,本減結合回路は相互アドミタンスのみを抑圧することによって実現されるため,任意の素子数のアレーアンテナへの適用が可能である.そのため,本技術は高利得が要求される携帯電話基地局アンテナへの適用が可能である.本提案設計法の評価を行なうため,小型なアレーアンテナの試作を行い,減結合回路を設計し線路定数を決定した.数値解析の結果,提案減結合回路によって,アンテナの周波数帯域幅に影響を与えることなく高い減結合特性を実現できることが判明した.従来,減結合回路を適用した場合アンテナの帯域が狭くなり通信帯域に影響することが知られていたが,本成果はこれを覆すものであり,高い有効性を確認することができた.
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Research Products
(11 results)