Research Abstract |
最終年度である平成23年度は,ウェイクアップ機構の評価を継続的に行うとともに,特に応用分野を意識した研究を進めた.ウェイクアップ機構の評価については,今後の普及が期待されるディジタルヘルスに向け,ヘルスモニタリングのアプリケーションにおいてどの程度の省電力化が見込めるかについて,数値シミュレーションにより評価を行った.この結果,現在市販されている無線通信モジュールの消費電力を仮定した場合には,数個~10個程度のセンサノード数であれば,従来方式である単純なIDマッチングに比べて,本研究の方式が消費電力的に優位となることが明らかとなった 一般に,ヘルスモニタリングのようなアプリケーションであれば,10個程度のセンサノード数を想定するシナリオは考えられるため,本研究で開発した方式は現状想定されている応用に適用可能であることが分かった.また,将来的に見た場合には,無線通信モジュールの消費電力は低下していくことが予想されるが,本研究の方式は,無線通信モジュールの消費電力が低下すればするほど効果が高くなる結果となっている.したがって,将来的な応用においても,本方式は有効に機能するものと予想される. 一方,研究実施計画においては,ウェイクアップ機構を有線ネットワークの省電力化に適用することも視野に入れた.しかしながら,無線センサネットワークのような応用分野が明確な対象に比べ,有線ネットワークの省電力化はその目的や応用サービスが依然として明確ではなく,また,それらを明確にすることも十分にはできなかった.このため,TCP/IPとの親和性などを含め,有線ネットワークへのウェイクアップ機構の適用については,研究を見送った,
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