2010 Fiscal Year Annual Research Report
高速通信ネットワークの実現に向けたマルチユーザ通信路符号化の基礎理論の構築
Project/Area Number |
22760270
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
八木 秀樹 電気通信大学, 先端領域教育研究センター, 特任助教 (60409737)
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Keywords | 情報理論 / 通信路符号化 / マルチユーザ符号化 / 多重アクセス通信路 / 情報セキュリティ |
Research Abstract |
通信ネットワークの大規模化・多様化に伴い,複数のノード(送信機・受信機)から構成されるマルチユーザ通信システムの重要性が増している.本研究では,マルチユーザ通信システムにおける符号化レートの限界(通信路容量域)の解析と,その限界を達成する具体的な符号構成法を議論する. 平成22年度の研究では,まず複数の送信機とひとつの受信機から構成される多重アクセス通信路に対して,連接符号化に基づき,符号長の多項式時間の符号化・復号化計算量で通信路容量域の任意のレートを達成できる符号化方法を提案した.連接符号化は,単一ユーザ通信路において外部符号に強力な構成的誤り訂正符号を用い,外部符号の各符号シンボルを内部符号の符号語に対応させる符号化方法である.構成した符号の誤り率を解析し,誤り率が符号長に対して指数関数的に0へ収束することを示した.提案した符号構成法により,効率性の理論限界を達成し,かつ低計算量で実用できる符号を構成的に与えた点に,本研究の有効性がある. また,無線通信システムの数理モデルとして注目されている干渉通信路において,シングルユーザ通信路における符号を多段に組み合わせて,符号化・復号化を逐次的に行うことにより,現在知られている最良のレート領域を達成する符号が構成できることを示した.この成果より,干渉通信路においても単一ユーザ通信路における連接符号化に基づき,多項式時間で符号化・復号化が実現できることが示唆される.
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Research Products
(8 results)