2011 Fiscal Year Annual Research Report
マルチセル環境における空間リソース制御法に関する研究
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22760272
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西森 健太郎 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90500611)
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Keywords | 空間リソース / 中継局 / マルチセル / 干渉除去 / 伝搬損失 |
Research Abstract |
本研究では,マクロセル環境において,セル内の基地局が端末や中継局と協調して周辺の干渉を監視制御するとともに,空間・周波数のリソースの動的制御により周波数資源を有効活用する手法を複数提案し,計算機シミュレーションによりそれらの有効性を示すご乏を目的としている. 今年度は,昨年度作成したツールを用いて,異なるセルサイズの環境(マクロセル(例:WiMAX)とピコセル(例:無線LAN)が混在する環境)を想定した場合において,中継局を用いた干渉除去法を提案した.さらにこの構成をMIMO通信で実現できる手法も提案した.その有効性を計算機シミュレーションと実環境における伝搬チャネル応答を用いた評価により有効性を明らかにした.提案法は,1素子のアンテナでも従来の2素子のアレーアンテナよりも高い干渉除去能力を得ることを明らかにした.本成果はIEEE Wireless Communicationの2011年の9月号に掲載された. 次に,MIMO通信において,中継局を配置した場合の,送信局/受信局,送信局/中継局,中継局/受信局における通信容量評価を実環境の測定データを用いて明らかにした.本結果は干渉が考慮される環境でもそのモデルが適用できる.ここでは,まず,中継局を用いることが高い通信要領を得ることを確認するとともに,複数のユーザが存在するときは特に効果が大きいことを示した.さらに,チャネル応答の相関が高くなる環境には直交する偏波を用いることでさらなる効果を得ることも明らかにした.本成果はIEEE Antema and Propagationの2012年の2月号に掲載された. その他,マルチセルにおける評価ツールの改良などを行い,次年度の検討のための準備を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
中継局を用いた干渉量評価,中継局による干渉除去法の提案,実環境での特性評価に関し,英語による査読つき論文を掲載することができ(うち2件はIEEE),査読付き国際会議でも3件採録された.当初予定していたよりも順調に成果を出していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度に提案した方法で一定の効果が得られたが提案した方法の適用領域をさらに明らかにするために,H22年度に作成したツールを用いて,提案方法のさらなる特性評価を行うことで,提案法の効果をさらに明確にする.また,その中で発生する問題点を解決するための新たな方法を提案することで,マルチセルにおける干渉除去としての性能を明らかにし,最終年度に向けた成果を提出する予定である.
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