2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・マイクロ系への応用を目指したエネルギー局在現象の制御に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22760280
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
木村 真之 滋賀県立大学, 工学部, 助教 (00551376)
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Keywords | 非線形理論・回路 / 空間局在モード / 結合振動子系 |
Research Abstract |
本研究は,ナノ・マイクロ系におけるエネルギー局在現象(空間局在モード)の制御を目標としたものである.平成22年度は,空間局在モードの実験的な検討を目的とした電磁機械系の製作および基礎実験を行った. 研究者の製作した従来の電磁機械系は,非線形振動子である板バネが弾性棒で結合されたものであった.本研究では,結合に非線形性を有する電磁機械系への改良を試みた. 具体的には以下のようなことを行った.(1)従来機械系におけるパラメータ評価方法の改良および実証.(2)新たな電磁機械系の設計および数理モデル化.(3)数値計算による空間局在モードの存在性に関する検討.(4)計測回路などの周辺電子回路の設計・製作.(5)単一振動子を用いた非線形結合に関する基礎実験.(6)非線形結合力を有する電磁機械系の製作. 上記実験系の製作に加え,実験系から導かれる運動方程式の理論的な解析にも取り組んだ.これは,空間局在モードの存在するパラメータ領域を予測するためである.簡単のため,減衰や外部励振などを除いた2自由度保存系を考えた.解析には平均化法などの種々の近似を用いた.結果として,2自由度保存系における周期解の分岐集合を求めることに成功した.また,8自由度保存系における空間局在モードの分岐集合へ拡張できることを確認した.本解析により,実験系の設計が容易になり,さらに他の系における空間局在モード存在パラメータ領域の推定にも応用できると考えられる.
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