2010 Fiscal Year Annual Research Report
実環境モデルを用いたGPU上の高精度FDTD法による3次元電波環境イメージング
Project/Area Number |
22760284
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
園田 潤 仙台高等専門学校, 知能エレクトロニクス工学科, 准教授 (30290696)
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Keywords | 電波環境 / イメージング / GPU / 高精度FDTD法 / 実環境数値モデル |
Research Abstract |
本研究課題では,電波を使用した新しい電波デバイスの創出のために,電波デバイスを実際の環境下で使用した場合の電波環境を高速にイメージングすることを目的としている。本研究により,実際の環境下で電波デバイスを使用した場合の空間中の電波分布が可視化できるため,例えば,開発した電波デバイスによる航空機の電子機器やペースメーカー等の周辺精密機器の誤作動を事前に防ぐことができる。本研究では,数値シミュレーション手法として近年電磁波解析で広く利用されているFDTD法を対象とし,1.高精度FDTDシミュレーション,2.実環境数値モデル,3.超並列ハードウェアを用いた高速計算により,これまでにない電波環境イメージングシステムを構築する。 平成22年度には,1.FDTD法の計算精度保証による高精度化,2.室内実環境のFDTD数値モデル構築システムの開発,3,高速描画用ハードウェアGPUを用いたFDTD法の高速化について研究を行った。1.計算精度保証により,FDTD法の誤差を容易に見積ることができる簡易式を導出し,計算結果に含まれる誤差の定量化や最小誤差で計算できる計算パラメータの提示が可能になり,FDTD法による高精度計算が可能になった。2.FDTD数値モデル構築では,ステレオカメラを用いる手法ではなく,1台のカメラのみで物体の3次元情報が構築できるSfMシステムとOpenGLによる補間手法の組み合わせにより,室内環境FDTD数値モデルを構築するシステムを開発し,実際の環境下での電波環境をFDTD法により計算可能になった。3.GPUによるFDTD法の高速化では,既存の計算コードを大きく変更する必要がないディレクティブコンパイラを用いてNVIDIA C2070上でFDTD法をGPU実装した結果,高速CPU Intel Core i7980X 3.3GHzと比較して20倍程度高速に計算できることを示した。
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