2011 Fiscal Year Annual Research Report
実環境モデルを用いたGPU上の高精度FDTD法による3次元電波環境イメージング
Project/Area Number |
22760284
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Research Institution | 仙台高等専門学校 |
Principal Investigator |
園田 潤 仙台高等専門学校, 知能エレクトロニクス工学科, 准教授 (30290696)
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Keywords | 電磁環境 / イメージング / GPU / 高精度FDTD法 / 実環境数値モデル |
Research Abstract |
本研究課題では,電波を使用した新しい電波デバイスの創出のために,電波デバイスを実際の環境下で使用した場合の電波環境を高速にイメージングすることを目的としている。本研究により,実際の環境下で電波デバイスを使用した場合の空間中の電波分布が可視化できるため,例えば,開発した電波デバイスによる航空機の電子機器やペースメーカー等の周辺精密機器の誤作動を事前に防ぐことができる。本研究では,数値シミュレーション手法として近年電磁波解析で広く利用されているFDTD法を対象とし,1.高精度FDTDシミュレーション,2.実環境数値モデル,3.超並列ハードウェアを用いた高速計算により,これまでにない電波環境イメージングシステムを構築する。 平成23年度には,前年度の成果を踏まえ,実際の室内環境における電波環境の可視化をGPUを用いてリアルタイムに描画するシステムの開発を目的とした。この結果,前年度開発したSfMとOpenGLによる実環境数値モデルで室内環境を構築できた。また,SfMシステムでは数値モデル構築時間が増大する問題があったが,距離を直接測定できる深度センサKinectを利用した構築時間の短いシステムも開発した。実際に机やPC等が存在する室内実環境のFDTD数値モデルを構築し,GPU上の高速FDTD法で解析領域中の全ポインティングベクトルを描画できるシステムを構築した。ここで,複数のGPUを用いて計算と描画をともに高速化し,さらにGPU間のデータ転送を低減する簡易な手法を提案した。これら提案手法により,これまで困難であった全領域のポインティングベクトルをリアルタイムで描画できることを明らかにした。
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